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RNAVで変わる羽田→南紀白浜線飛行ルート(2017.4.27-)

2017年4月27日に新設される南紀白浜空港のRNAV進入ルートの図(Google Map)を作成しました。

Rjbdrnav170427

(南側の串本 - KISEIは現行のルート)

図の全体は下記のURLでごらんください。

http://arctica1.cocolog-nifty.com/fw3/rjttrjbdrnp1.html


久々の投稿でもあり、図を描くだけでは少々物足りないので、もう少し掘り下げてみようと調べ物を始めたところ、わからないことが次々と出てきて収拾がつかなってしまいました。以下、筆者本人の備忘を目的として、興味本位で書いています。まとまりが悪く、間違いもあると思いますが、ご容赦ください。

RWY15にはもともとローカライザ進入(LOC RWY15)がありますが、1.6度のオフセットになっています。

Rjbdloc15

RWY15のRNAV進入はオフセットなし。LOCとRNAVの最終進入ルートを比較しました↓

Rjbdloc15faf

一方のRWY33は、最終進入が15度のオフセット。そのためLNAV/VNAV進入の設定はありません。(函館RWY30と同様、LNAV進入のみ)

変針点が多く、まるでRNP AR進入のように見えますが、直線パスだけで構成された普通のRNAV(GNSS)進入です。

Rjbdrnv33

ここで、"BD350"のように、空港コードの3~4文字目と数字を組み合わせたウェイポイント名の総称として"tactical waypoint"という用語があるそうです。当然、"strategic waypoint"もあります。また、tactical waypointはCNF (computer navigation fix)とは違う、など初耳の話もありましたが、詳細は省きます。CNFは、FAAのチャートでは括弧"()"付きで表記されています。

もとい、LNAV/VNAV進入とは、下記(広島空港)の事故時に使われていたもので、報告書中にも多くの記述があり、参考になります。

航空事故調査報告書
アシアナ航空株式会社所属
エアバス式A320-200型
HL7762
アンダーシュートによる航空保安無線施設との衝突
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2114

さて、南紀白浜RNAV進入では、着陸やり直し時(ミストアプローチ)は、RWY33・RWY15共にKISEIポイントへ向かうことになりますが、よくわからないのが、その先。

類似例として、奄美空港RWY21です。ミストアプローチで向かう先のKYORAポイントがIAFを兼ねており、ここから再度同じ進入に入ることができます。

Rjkarnv21

つぎは、函館RWY30ですが、YHUKAを通っているSTARでEMINAに向かうことができます。あるいは、函館ではレーダー進入管制が行われているので、FROSTまでレーダー誘導を受けることも可能でしょう。

Rjchr30z160721

南紀白浜では、KISEIから再度RNAV進入に入るルートが見当たりません。

KISEI-串本-Y12でRAYJOへ向かうか、途中からIAF(初期進入開始点)までレーダー誘導してもらうとなると、かなり遠くまで戻ることになってしまいます。

KISEIからNKEの間はMEA 4000feetの直行経路があり、NKEに向かってそこから既存(RNAV以外の)進入方式を使う、となるのでしょう。

もし、KISEIから「T型」や「Y型」と呼ばれるルートが引かれていれば、この問題は解消します。また、従来の串本-KISEルートからもRNAV進入を利用できることになり、使い勝手がよくなりそうです。

Rjbdrnvmahf

そのような設定ができない理由があるのか、としばし考えていましたが、結局のところ、よくわからなかった、というのオチです。「MSA(最低扇形別高度)」とか「ターミナル到着高度(TAA)」と呼ばれるものが関係しているのかと、調べましたが、迷路に入り込むばかりでした。

RNAV進入では、TAAを設定するのが原則で、代わりにMSAでもよいことになっています。(上掲、函館RWY30がTAAの例)

格好が付きませんが、航空路誌(AD 1.1)のTAAとMSAについての記述を引用しておきます。

(b) ターミナル到着高度(TAA)
 TAA とは“T 型” 又は“Y 型” 配置を有するRNAV 計
器進入方式において設定され、弧の両端からIF へ向か
う直線により区切られた、初期進入フィックス(IAF) ま
たは、中間進入フィックス(IF) を中心とする半径
46km(25NM) の円弧内にある全ての障害物から、300 メー
トル(1,000 フィート) の垂直間隔を確保した最低高度を
いう。

(c) 最低扇形別高度 (MSA)
 計器進入方式に使用される航空保安無線施設(RNAV
進入方式においては飛行場標点) を中心に半径25 海里
の扇形区域内の全ての障害物から、平野部においては
300 メートル(1000 フィート)、山岳部においては600
メートル(2000 フィート) の垂直間隔を以って設定した
最低高度である。

でもって、ICAO Doc. 8168によると、RNAV(GNSS)にMSAを使う場合には、ARPを中心にして全方位一律で設定すべし、ということのようです。

2.2.2 Minimum sector altitude/terminal arrival altitude
For terminal arrival altitude see Section 2, Chapter 4, “TAA”. Where TAAs are not provided, a minimum sector altitude shall be published. The provisions of Part I, Section 4, Chapter 8, “Minimum sector altitudes (MSA)” apply except that only a single omnidirectional sector shall be established in the case of GNSS. The sector is centred on the latitude and longitude of the aerodrome reference point.

ところが、海外の事例を見ると、ソウル2空港(仁川、金浦)では、ILS進入とRNAV進入で共通のMSA(中心はARP)を使っていたりします。

Rkssi32r

Rkssr32r


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