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「横田進入管制空域」図

2008年9月横田空域一部削減(返還)前後の飛行ルート比較(2017. 9. 8)

羽田→那覇線の例

羽田-那覇線飛行ルートの変遷(1995-2017)
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/1995-2017-947a.html



Yokota Approach Control Area、横田進入管制空域(いわゆる「横田空域」)

はじめに、横田空域は「飛行禁止」とか「飛行制限」ではありません。「民間機進入禁止」は完全なデマ。VFR(有視界飛行方式)については、管制許可も不要(後述)。

また、2008年9月に実施された横田空域一部削減(返還)により、羽田空港発着便への影響(ルートの迂回など)は大部分が解消されています。

進入管制区は出発・到着機が多い飛行場周辺に設定され、つまりは交通整理の便宜のための空域で、そもそもが飛行制限や禁止する性質のものではありません。東京進入管制区(羽田・成田)の中も、多数のVFR機が飛行しています。

よくあるのが、その進入管制区と、飛行禁止区域(日本には無い)や制限区域、空域制限、自衛隊訓練/試験空域などの区別が付いていないという間違い。出発点がおかしいので、どこまでもデタラメと妄想が展開されていきます。おかしいのは承知のうえでわざと書いているようにも見えます。


横田空域内をVFRで飛行する場合に横田管制から受けることができるサービス(レーダー・アドバイザリー)と注意事項について、参考資料として航空路誌から転載します。(2017.9)

(参考資料)横田VFRレーダー・アドバイザリー・サービス
http://arctica1.cocolog-nifty.com/gtma/rjty-vfr-advisory.html


Rjtyareamap

Google Mapを拡大して正確な範囲・境界を確認してください↓

http://arctica1.cocolog-nifty.com/gtma/yokota-aca-201503.html

黒枠で仕切った区画ごとに上限の高度が異なります。

(資料)上図作成の元データを航空路誌から転載します。
20150305_Yokota_APCH_CTL_Area.pdf

羽田出発方式の高度制限例(SEKID DEPARTURE、福岡・長崎・広島方面への標準出発ルート)

HILLSポイント(東十条)から西は8000ftまで横田空域のため、9000ft以上での通過が求められます。(FL150は東京進入管制区の上限)

Rjttsekid1r

実際には、この高度制限よりもはるかに上の高度を通過しています。主な理由は、できるだけ早く高い高度に上昇したほうが燃費がよくなるため。地上への騒音影響も軽減されます。

ターボファンで飛行する旅客機の単位時間当たりの燃料消費率は高々度ほど低くなり、3万フィートを基準とすると1万フィートでは2倍、2万フィートでは1.3倍であると言われている。(2015「ATSシンポジウム」資料)

横田空域のせいで「急上昇」との説も見かけますが、離陸時の上昇率は他の空港(海外も含む)と同様です。もし、現状よりゆっくり上昇させることになれば、燃費が悪化し、運航コストは増大します。


羽田では離陸後すぐに進入ルートの上を飛び越える場面があります。こちらのほうが横田空域がらみの高度制限より重要とも考えられます。(2017.8.19追記)

赤:出発、青:到着

Rjttnorthtrack(北風時、図:羽田空港飛行コースホームページ)

Rjttsouthtrack

(南風時、図:羽田空港飛行コースホームページ)

南風時、長距離国際線の多い北方面への出発では、旋回半径のバラつきが大きいです。上昇が遅いと評判(悪評?)のエアバスA340などかなり大きく回っていきます。


羽田出発ルートについては、2008年9月の横田空域一部返還を機に大きく変わりました。

Rjttrtechg200809

(図)横田空域の一部削減に伴う羽田空港出発経路の設定について
http://www.mlit.go.jp/common/000018787.pdf

その後、2010年の再拡張で、西方面への出発(北風時)は新設のD滑走路が使われるようになり、東京湾上での旋回はさらに短くなりました。


定期便(羽田→富山)が横田空域内を通過した事例の航跡図(2017.2)

この地点はFL230(約7000m)まで横田空域ですが、FL200で通過しています。

Areahfl200

http://arctica1.cocolog-nifty.com/fw3/170202ana315.html

民間定期便の大半はFL240以上で(横田空域に入る必要性もなく)飛行しています。

出発後に、気象状況などの理由で(横田空域に入るような)高度まで降下したい場合、東京管制部にリクエストして許可をもらいます。直接横田管制所に連絡する必要はなく、東京管制部が中継しているようです。このあたりの流れは、航空無線を聴いているとわかります。事務的に淡々と処理されています。


現在(2017年)の運用において、横田空域が返還(撤廃)されると、羽田空港発着便の飛行時間が大幅に短縮したり、混雑が緩和されて利便性が向上する、といった関係性は見出せません。

Flightradar24による羽田→伊丹の航跡例↓

Fr24nh25

赤い破線が両空港間の最短距離、青っぽい線が実際の飛行ルートを示しています。(飛行高度により、線の色が変わります)

羽田→伊丹の最短距離は218nm (404km)、実際の飛行距離は250nm (463km)ほどです。図の見た目でわかるとおり、ほとんど迂回はなく、効率的な飛行ルートになっています。


横田空域の上限高度が最も高いところで7000m (FL230)なのは事実です。(上図のとおり)

が、羽田出発便の大半は、そこは通りません。(富山、能登行きのみ)

「高さが7000mもあるので飛び越えるのが大変だ」という話は、印象操作という感じがします。

図上方、赤い枠を付けた部分です。

Hnddirections

また、書籍などに載っている横田空域の高さ(厚み)を示す図を見るときは要注意。「7000m」という部分が、地表面と比較すると10倍(つまり70km)くらいに描かれているという、過剰な誇張が非常に多いです。


2020年までに実施が計画されている都心上空進入ルート(南風時)については、ルートの一部が横田空域内を通ります。空域の一部返還、ないしは時間帯を区切って当該空域の管轄を変更するような調整が必要とされています。

新飛行ルート(南風案)と横田空域の関係、調整(協議)の進捗などについては、CANSO(民間航空交通管制業務提供機構)の下記刊行物(Airspace issue 32 2016Q1、PDF)を参照。

https://www.canso.org/sites/default/files/Airspace%20Q1%202016%20Article%20Tokyo%20Capacity.pdf


(資料 2008年9月の一部返還)

Yokotahenkan2008

しばしば引用される定期航空協会の早期空域返還要望(2006年5月11日)は、2008年9月の一部返還をもって大筋のところ解決済み、と理解されます。

Teikokyo200605

横田空域の 民間航空機利用について - 定期航空協会
http://www.teikokyo.gr.jp/pdf/20060511_pamphlet.pdf

■横田空域の一部の民間開放に対する協会コメント
(2006年5月22日)
http://www.teikokyo.gr.jp/re060522.html

■横田空域の削減幅決定に対する協会コメント
(2006年10月27日)
http://www.teikokyo.gr.jp/re061027.html

横田空域の削減について、2006年5月に国土交通省航空局及び関係省庁へ要望書を提出するとともに、その内容について記者会見を行い、世論の喚起を図った。その結果、同年10月の日米合同委員会第66回民間航空分科委員会において、横田空域の一部削減後の具体像が示された(削減時期は2008年9月)。また、削減が実施されるまでの暫定措置として、横田進入管制所が同空域を使用しない場合、羽田空港から北部九州方面等に出発する航空機が、従来より2,000フィート低い高度で飛行可能となった。(2006年9月28日から実施)

(定期航空協会 2007年度年次総会資料 p.3)

横田空域の一部削減に伴う羽田空港の出発経路の設定について
平成20年7月1日
http://www.mlit.go.jp/report/press/cab13_hh_000003.html

出発ルート上の高度制限が大幅に緩和され、飛行時間も短縮(平均3分)しました。

一部返還前、2006年当時のZAMA 6 DEPARTURE(西日本への出発ルート)

CANAL or MIRAIを13000feet以上、座間NDB(相模原駅近く、2008年に廃止)をFL190以上で通過。

Zama6dep2006

2008年9月から実施 BAYGE 1 DEPARTURE

高度制限の緩和により、経路が短縮し、旋回もゆるやかになりました。

Baygeone200809(出典:航空路誌)

現在のYANAG 1 DEPARTURE(RNAV出発方式)

CANAL or MIRAIとほぼ同位置のBAYGEを9000feet以上で通過。

Yanag1bayge9000

YANAG 出発方式の航跡例(熊本行き、Flightradar24による)

Fr24yanag1

羽田→大阪は、2008年9月の一部返還以前は横田空域内を通過していましたが、上昇をいったん止め、10000feetで水平飛行するという非効率がありました。一部返還後は、横田空域に入ることはありません。

Hayama2dep2006


(参考文献)

羽田空港再拡張後の管制運用について ~首都圏の空はこう変わる~
http://aviation.j-navigation.org/presentation/201005_Tokyo_international_airport.pdf

2 米軍再編の現状(防衛白書)
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2010/2010/html/m3242200.html

米軍横田空域の返還に関する質問主意書 & 答弁書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164061.htm

横田空域の返還に係る文書の一部開示決定に関する件(平成22年(行情)諮問第101号)(PDF形式:84KB)
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h22-01/047.pdf

AOPA JAPAN / FLIGHT SAFETY
http://www.aopa.jp/Newjapanese/pg53.html

[塩川鉄也ホームページ]資料集
http://www.shiokawa-tetsuya.jp/field/shiryo.html


入間、厚木、立川などの飛行場(自衛隊基地)に割り当てられた横田のサブ空域群

GCA(出典:「横田飛行場運用について」)

域内の飛行場(基地)を全て廃止しない限り、空域そのものをなくすとか、民間機専用にすることは困難でしょう。(特に交通量の多い南側のエリアに関して)

なぜか、基地の機能や配置の話は抜きで、「空域だけ返せ」という不可解な返還論が横行しています。


2014年12月から、DOD FLIPからの転載でAIPに横田の出発・進入図が掲載されました。(三沢、岩国、嘉手納についてはすでに掲載済)

Rjtyils36aip


航空路・ウェイポイントと横田空域との位置関係

Rjtyy88kinpu

http://arctica1.cocolog-nifty.com/genrc/jpn-enrc-201503-y.html

現在、ほとんどの民間定期フライトは横田空域の上限以上の高度を通過しています。日々横田空域内を飛行する民間定期便としては、調布飛行場を発着する伊豆諸島フライトのほか、伊丹/中部-仙台間などY88ルートも、高度がFL180以下の場合は横田空域を通過します。

上限が23000feetもある北側(主に群馬県)の空域は高高度訓練空域の「エリアH(ホテル)」になっています。(下図はENRC2から)

Rjtyareah

横田に負けず劣らず広大な百里空域。民間機のルートにかなり影響があります。

東京(羽田・成田)と百里の各進入管制区、境界部は高度で細かく区割りされています。

百里進入管制区

Rjahaca201501

東京進入管制区

Rjttaca201501

東京進入管制区は、羽田再拡張(D滑走路供用)時に縮小されました。(横田空域とは無関係)

それ以前の東京進入管制区(2010年)

Rjttapp201001


2010年3月、沖縄進入管制(通称「嘉手納ラプコン」)が日本に移管

沖縄進入管制(通称「嘉手納ラプコン」)の日本側への移管(概念図)(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/22/pdfs/dok_100318.pdf

那覇空港事務所に「那覇進入管制区」が置かれ、航空局が管制を担当。


横田空域は「飛行禁止」とか「飛行制限」とは異なります。(「民間機は進入禁止」はウソ)

進入管制区・特別管制区(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000342.html

航空管制業務について(同)
http://www.mlit.go.jp/common/000164767.pdf

Restrictedareas(JCAB / CANSO)

在日米軍については、

「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律」

という異様に長ったらしい名前の法律で、

    3 前項の航空機及びその航空機に乗り組んでその運航に従事する者については、航空法第六章の規定は、政令で定めるものを除き、適用しない。

と定められており、「航空法第六章 航空機の運航(第五十七条―第九十九条の二)」は、適用が除外されます。

これについては、「政令で定めるものを除き」と、適用除外の除外規定があります。(適用除外の除外、すなわち適用)

  日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律第三項 の政令で定める航空法 (昭和二十七年法律第二百三十一号)第六章 の規定は、同法第九十六条 から第九十八条 までの規定とする。

(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律施行令)

ということで、航空法96~98条に関しては、米軍様にも適用されます。

第九十六条
(航空交通の指示)
第九十六条の二
(航空交通情報の入手のための連絡)
第九十七条
(飛行計画及びその承認)
第九十八条
(到着の通知)

法の各条文は下記サイトなどを参照ください。

航空法(法令データ提供システム)
http://goo.gl/JGkq5L

なかでも、法第96条が適用されることにより、米軍機といえども、

  • 航空交通管制圏(クラスD空域)内の飛行
  • 計器飛行方式(IFR)による飛行
  • 特別管制空域(PCA)内の飛行

については、国土交通大臣(管制官)の指示に従わねばなりません。

よって、米軍機について最低安全高度などの規定が適用除外となるのは、上記空域(管制圏と特別管制区)以外での有視界飛行方式(VFR)、ということになります。

このような、安全上の規定がダブルスタンダードになっているのは、横田に限定の話ではなく、全国区の問題です。


2015年7月 悪質なデマです↓

「調布飛行場は上空2000ft以上が横田基地の空域」

もっともらしく "VFR ADVISORY AREA"の図を添付して、調布飛行場の上空2000feet以上は横田空域(であるので、民間機は飛行不可)などと吹聴している人がいますが、間違いです。

横田空域はクラスE空域であり、VFR(有視界飛行方式)については、制限空域や各飛行場の管制圏(円や半円で示された範囲、クラスD空域)以外は規制されません。

Rjtyjepptma2010

VFRは、横田空域に入るのに管制許可を得る必要自体がありません。

調布飛行場周囲の黒い網掛け部分、2000から4000feetが"High Traffic Area"と示されています。「特に交通量が多いから注意せよ」というだけの話です。

Rjtyvfradvisory

調布飛行場周辺空域を飛行する際の留意事項(航空路誌RJTFから)↓

Rjtfradaradvice

Flightradar24に小型機やヘリが映ることも多くなっています。Squawk(スコーク)の数字が1200がVFRです。横田のアドバイザリを受けると、1200ではなく5401-5477などのSquawkを指示されます。

調布発の定期便(VFRで飛行)

Rjtyvfr54xx

空域の分類(出典:航空路誌)

Airspaceclass

進入管制区の下限高度は700または1000feet

Atssympoairspace(出典:ATSシンポジウム 2015)

航空重大インシデント調査報告書(AI2006-2)
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail2.php?id=1841

所見として「飛行高度を2,000ft又はそれ以下とするよう推奨することが望ましく」という記述があります。(2000ft以上を飛行してはいけない、という意味ではない)

Yokotavfr2006(DOD FLIP, 2006)

航空路誌上、入間と厚木の管制圏は6000ft以下と記載されていますが、実際には、ある高度以上が横田進入管制の管轄になっており、管制圏を通過するための許可は横田から得る必要があるそうです。(JAPA パイロット誌2016春号に載っています)

VFRの飛行は原則自由(許可不要)、ただし各飛行場の管制圏に入る場合には管制塔(タワー)から許可を得る必要、とわかる動画↓

(YouTube)ヘリコプターで米軍基地 横田管制圏への飛行

的外れなコメントが付けられているのが残念。


FlightAwareのログを利用して作成した航跡図例(2014.12.21 ANA25便)
http://arctica1.cocolog-nifty.com/fw2/141221ana25.html

Faw141221ana25

Google Map上に航跡を表示してみると、8000フィート以下が横田空域になっているエリア(横須賀上空)に差し掛かったとき(離陸から6分後)の高度は約13000フィートで余裕があります。

「横田空域返還で20分もフライト時間が短縮できる」ような話は、まったく根拠がありません。各方面とも、離陸から最長15分程度で横田空域の上を通り過ぎてしまいます。(上の例、羽田→伊丹では約8分。横須賀から沼津まで)

各方面への出発ルートに関して、下記ページで補足しました。

横田空域と羽田空港出発ルート(航跡)
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-9b2f.html

Carats201503(出典:将来の航空交通システムに関する推進協議会 2015.3)

Kantoareaenr(図:SkyVector)

東行き便(羽田着)が房総半島の南まで行くのは、横田空域を避けるというよりも、航空路を一方通行にして容量を確保するのが主な理由と理解します。

同じルートを対面交通で使うと、効率が低下します。(上昇と降下が対向する場合には特に)

おおむね、北(横田空域の上)が西行き、南側が東行き専用になっています。(西行き用で一番南のルートY58はあまり使われませんが、非RNAV機用のルートにもなっています)

西行きと東行きのルートが交差する場所は、焼津上空でニアミス事故(2001年)があった当時よりも西に移されています。(できるだけ、上昇または降下中に航路が交差しないようにする工夫)

空港西側(世田谷、大田区あるいは川崎市)から進入するルートを作るなら、もう少し短縮できそうですが、騒音問題もありますし、RWY05(D滑走路の西側から)は着陸不可(桟橋部強度の関係?)という制約もあります。


むしろ、遠回りで飛行しているのは横田発着機のほう?

横田→シアトル

Rjtypabbaroute(SkyVectorにより作図)

実際の航跡

Gti8227okosea(FlightAware)

2016.8.23 横田→ホノルル

Fr24160823k4401

羽田の空域を通過できれば、KOGAR-COLORルートよりも近道ですが、混雑する羽田出発・到着ルートの下をくぐり抜けるまでは上昇できず、延々と7000ftを維持しています。(低高度の飛行は燃料を多く消費し、非効率)


2016.4.17
成田空港の悪天候(強風)で3便が横田にダイバート

Ual881okonrt(図:Flightradar24 プレイバックによる表示)

UAL881便 横田→成田への航跡(飛行時間: 1時間7分 高度: 11000feet)


米軍の広報ページで、横田進入管制所(レーダー室)とタワー(管制塔)の写真が紹介されています。

高解像度画像(ファイルサイズ大)が提供されていて、スクリーン上のデータが読み取れる部分もあります。さすがにストリップ(紙)の内容までは見えませんが。

Airspace authority: Yokota's ATC tower
/ Published June 09, 2015
http://www.pacaf.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/377/Article/602386/airspace-authority-yokotas-atc-tower.aspx


(雑学)横田「ラプコン」とは

運営主体によって、レーダー進入管制所の呼び方が異なります。軍用施設でFAAが共同運営している所もあるようです。

米空軍
RAPCON - RADAR APPROACH CONTROL
(Air Force/FAA)

米海軍
RATCF - RADAR AIR TRAFFIC CONTROL FACILITY
(Navy/FAA)

米陸軍
ARAC - ARMY RADAR APPROACH CONTROL
(Army)

連邦航空局
TRACON - TERMINAL RADAR APPROACH CONTROL
(FAA)


岩国進入管制空域

Rjoiappratcf

民間機(定期便)ルートへの影響がほとんどなくなった横田空域と比較して、考慮すべき点が多いと考えられます。

  • Y14, Y20, Y281の各ルートは最低高度がFL240となっていて、低高度を希望する場合は、Y28/V28へ変更必要。(福岡行きの飛行ルートに影響)
  • 石見空港の発着ルート、大分空港の到着ルートに影響

石見→羽田の飛行ルート その1

Iwamihaneda

その2

Iwamihaneda2

岩国飛行場は2012年12月から軍民共用化されています。また、空域内にある松山空港の進入管制業務は岩国基地で実施。


2016年1月

横田空域内を飛行する羽田→能登便。

下図の位置ではFL230、すなわち約7000m以下が横田空域(かつ「H空域))となっています。

Fr24fl200dcthappo

Flightradar24で公開されている直近1週間分の航跡を確認したところ、同様の例が複数見つかりました。(だとすると、例外的に認められたということではない?)

Fr24fl200dcthappo2

DCT HAPPO(ダイレクト HAPPO)のショートカット飛行?

Fr24fl200dcthappo3

いったんFL200まで上昇した後、FL180へ↓

Fr24fl200dcthappo4

以上の4例は1週間以内の別フライトです。(1日2便出ているので、週14便あります)

羽田→能登、所定(飛行計画)のルート(Skyvectorで作成)

Rjttrjnwroute

能登空港標準到着ルート(STAR)の起点となるHAPPOポイント(または、その先のGORYU)に直行できれば、飛行時間は2~3分くらい短縮?

横田空域(上限FL230の部分)にかかっているY885ルートのKANEKからAZUMIは、MEA(最低経路高度)がFL240と指定されています。

一方で、高度を下げる前に迂回ルートを指示されたように見える航跡もありました。従来はこれが通例の扱いだったかと思います。

Fr24fl200detour


最近では、横田空域内を通過する場合に"Contact Yokota Approach"(横田管制所に周波数を切り替え)を指示されることもないので、エアバンド(東京コントロール)を聴いているだけではよくわからない(いつの間にか通り過ぎている)ことがあります。(下図は2016.5.31)

Fr24160531nh367


横田エリア出入りルート(2017.9.14~横須賀VOR廃止後)

Aic2017024koska(AIC Nr 024/17)


(関連記事)

横田空域と羽田空港出発ルート(航跡)
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-9b2f.html

出発に比べて長くなっている、西・南方面から羽田への到着ルートについては下記に述べました。

飛行ルートの「延伸率」と横田空域について考える(1)
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/hnditm-20min-ex.html

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