« 2025年に向けて、エンルート空域、管制部再編へ | トップページ | WEBチャートのSkyVectorがフライトプラン機能を刷新 »

Flightradar24(フライトレーダー) MLATによる追跡が充実

2016年3月18日、Flightradar24サイトがリニューアルされました。

このページは、2016年3月リニューアル以前の旧サイト(PC用無料版)についての内容(過去の記録)です。現状とは異なりますのでご注意ください。




FlightAwareによるMLATの説明

Multilateration (MLAT) Overview
http://ja.flightaware.com/adsb/mlat/


Flightradar24(フライトレーダー)が、日本地区でもMLAT(マルチラテレーション)による表示を開始してから、4ヶ月が過ぎました。

徐々に対応エリアが拡大され、ADS-B装備をもたない機体(ヘリコプターや小型機まで)が数多く追跡されるようになってきました。小型機/ヘリはVFRが多いですが、Squawkのコードにより、羽田や横田のレーダーアドバイザリを受けている、などの状況が読み取れることもあります。(7月30日 TCAとPCAを取り違えた記述を修正しました。)

しかし、MLAT対応の新しいfeedソフトに問題があるのか、時に、カオスな表示になってしまうのが残念。

下図のように、Radarの欄に"T-MLAT?"とある場合は、ADS-B非装備の機体がMLATで追跡されています。挙動がおかしいように見える機体があるときは、「すわ、異常接近?!」とドキドキする前に「MLATかも?」と確認するのがよいと思います。

Fr24mlatglitch

そして、なぜだかADS-Bで追跡されている機体まで、変な航跡を描くことがあるのにも閉口します。

Fr24150715nh274

表示の不具合は改善されつつあるようですが、やはりADS-BとMLATでは、精度が段違いです。


Flightradar24はMLATの表示遅延(delay)について、20-30秒としているもようですが、実際にはもっと大きいという説もあり。

どうしても気になる場合は、いっそのことVisibilityの設定でMLATをOffにしましょう。


同じ便の航跡ログをFlightAwareから取得してみます。

http://flightaware.com/live/flight/ANA274/history/20150715/1220Z/RJFF/RJTT/tracklog

Flightradarに比べると明らかに劣勢ですが、最近はFlightAwareにも登録するフィーダーの方が増えてきているよう。(ADS-Bフィーダー特典は月額90ドル相当の"Enterprise Account"とのこと)

FlightAwareからダウンロードしたKMLをGoogle Mapに貼って「マイマップ」を作成↓

Kml150715nh274

"LDA X RWY23"をきれいにトラックしています。

ひさびさに、ログと航路を重ねた図も作成しました。

Faw150715nh274

http://arctica1.cocolog-nifty.com/fw2/150715ana274.html


(関連記事)

Flightradar24 MLAT(マルチラテレーション)によるリアルタイム追跡を公開
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/flightradar24-5.html

Flightradar24 日本でもMLATを開始?
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/flightradar24-m.html

米国エアライン機のADS-B装備率が明らかに
http://arctica1.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/adsb-equip-leve.html


ついでに、時々(主に長距離便で)見かける航跡の異常について。

Flightradarのバグと勘違いされがちですが、Flightradarのせいではない例↓

Fr24150714ac1951

こちらは「TPR901問題」というADS-B(トランスポンダー)の不具合で、日付変更線(180度線)を通過すると”発症”することがある、というもの。いったん起きると、電源を切ってリセットするまで、位置の横飛び現象が続くそうです。


(追記 2015年9月)

航空管制の現場で使われているMLAT(空港内)また、WAM(広域)のようなものは、受信機の配置も最適化されているし、なによりも大金が注ぎ込まれて、ADS-B同様の高精度が得られているのでしょう。

Flightradar24では、MLATはADS-Bと比べて明らかに遅延がありますし、低高度に来るとさらに精度はがた落ちとなります。FR24は、4つの受信機からの信号を集約して位置を算出するのに「数十秒」ていど必要(つまり、それだけ遅れる)と言っているようです。

ところが、巷間「(FR24の)MLATは5分遅れ」という説も流れています。私の感覚では、そこまでは遅くないような気がします。もともと5分遅れのデータを配信しているFAA ASDI(FR24のレーダー名はT-F5M、オレンジ色のターゲットで表示)と混同しているのかもしれません。

航空機が確実に通過する地点、たとえばILS進入ルートの下とかで待ち構えて、FR24の表示と比較すればよさそうですが、とりあえず、簡便法(手抜き)で、国(羽田空港)公式の追跡データとFR24を比べてみました。

某月某日17時過ぎの某便

羽田空港飛行ルートHP↓

Rjtt150909nh610ja8677

江戸川区の騒音計測点付近を17:01:28に2700feetで通過。(ILS RWY22進入)

FR24プレイバック画面↓

Fr24150909nh610pb

プレイバック画面での高度表示はまったく当てにならず。時刻は17:01

左下のほう、JAL260はANA32(B788)に先行して着陸したのに、追跡が後戻りする不具合が起きたりしています。

個別フライトの再生画面↓

Fr24150909nh610mlat5

時刻は17:02

高度2732feetは空港飛行ルートHPとほぼ近い値。空港HPは気圧を補正した高度を表示、こちらは補正されていませんが、この日はほぼイコールと見てよさそう。

FR24は秒単位まで表示しないので、何とも言えないものの、大ざっぱにMLATの誤差は数十秒から1分以内といったところでしょうか。(巡航中など高速の場合、距離としては大きいこともありえます)


(追記2 2015年9月)

Visibility設定を「MLATだけ」(ADS-BをOff)したときの様子

Fr24mlatonly

日本の上空では、MLATで追跡されている航空機の大半が、"Unknown / No callsign"ですが、そうでないものも若干数あります。

No callsignイコールMLATではなく、MODE-SトランスポンダーからFlight ID (ACID、航空機識別)が送信されていない状態です。

(入力していないのか、トランスポンダーがACIDを送信する設定になっていないのか、詳細事情は不明。CPDLCにLOGONするためにはFMSにFlight ID入力が必要。古い機体では、トランスポンダーにACID送信機能がないことも)

ADS-Bについては、規格として必ずACIDが送信されます。(未入力でなければ)

欧州など、非ADS-B機も原則ACID送信が義務付けられている地域では、No callsignは少数です。(航空管制レーダーで、スコークではなく、ACIDによりフライトプランとの紐付けを行っているため)

Flight ID / ACID については、上記 (関連記事) で扱っています。

(参考)
飛行計画に記入するトランスポンダ種別の記号表

トランスポンダの種類

上表中、「航空機識別」とはFlight IDないしACIDのことを指します。

FPL第9, 10項の記載例

-B772/H-SDFGHIJ3J5M1RWXY/LB1D1

-B77W/H-SDE2E3FGHIJ3J5J6M1M2RWXY/LB1D1

-B772/H-SEHPRWXYJIGDZ/SD

-IL76/H-SDFHRWY/C

-SF34/M-SDFLOV/S

-B735/M-SDFGIRWX/P

-B738/M-SWR/C

-B734/M-SDFIRW/S

末尾の"/"以降が「第10項b 監視機器の種類及び当該機器の性能」

上表で搭載監視機器の記号がN(なし)、A(モードA)またはC(モードA)の場合、トランスポンダーからの信号に機体を特定できる情報がなく、MLATでも表示されません。(古い小型機など)

モードSトランスポンダーには全世界でユニークとなる機体IDが振られています。Flightradar24では"MODE-S CODE"と表記されています。


(参考 AIPから一部抜粋)

二次レーダーコード(SSR code / "squawk")

VFR により飛行する場合
(1) 10,000 フィート未満を飛行中……コード1200
(2) 10,000 フィート以上を飛行中……コード1400

レーダー管制空域外からレーダー管制空域へ入域する
IFR 機であってコードの指示を受けていない場合
……コード2000

福岡FIR内IFR
国際線航空機
3101 ~ 3177 3201 ~ 3277 3601 ~ 3677
3701 ~ 3777 6001 ~ 6077 6101 ~ 6177
7001 ~ 7077
国内線航空機
0401 ~ 0477 1701 ~ 1777 2001 ~ 2077
2101 ~ 2177 2201 ~ 2277 2301 ~ 2377
2401 ~ 2477 3301 ~ 3377 3401 ~ 3477
4601 ~ 4677 4701 ~ 4777 5501 ~ 5577
5601 ~ 5677 7301 ~ 7377

管制機関別個別コード (discrete code)

Discretesquawk

Fr241309191200(図:Flightradar24, 2013年9月)


2015年8月10日にFlightradar24が以下の記事を発表しています。かなり長文の英語ですが、ご一読をお勧めします。

Common Errors on Flightradar24 (Flightradar24でよくある誤表示)
http://www.flightradar24.com/blog/common-errors-on-flightradar24/

Fr24blogcommonerror

↑Chromeブラウザの翻訳機能による


おすすめ記事。
ADS-BとADS-CやCPDLCとの関係(違い)がわかりやすいです。↓

日乗連ニュース
2015.12.21
39-20 | ADS-Bの衛星通信周波数認可について

http://www.alpajapan.org/


Airservices AustraliaからFLTIDの入力について

Australiafltidadsb(図:Airservices Australia)


2016.4

FAAからのデータ配信システムがASDIからTFMSに切り替わり、5分遅れの制約が撤廃されました。(各追跡サイトに共通)

FR24でも航空機マークの色がオレンジから黄に変わっています。

ACID未入力の場合、ADS-B追跡とFAAデータが統合されずに、同じ機体がダブって表示されます。データ転送の時間差などもあるでしょうから、重なって表示されるわけではないですが、この間隔が狭まりました。

Fr24faaadsbdupl


2016.12飛来

ロシア航空IL-96(2015.12のデータによる)

-IL96/H-SDFHIWRGYX/LB1

PBN/A1B2B3B4B5L1

A1 RNAV10(RNP10)
B2 RNAV5 GNSS
B3 RNAV5 DME/DME
B4 RNAV5 VOR/DME
B5 RNAV5 INS又はIRS
L1 RNP4

Dがないので、RNAV SID, STARは不可のようです。

IL96 - Aircraft Performance Database (EUROCONTROL)
https://contentzone.eurocontrol.int/aircraftperformance/details.aspx?ICAO=IL96

« 2025年に向けて、エンルート空域、管制部再編へ | トップページ | WEBチャートのSkyVectorがフライトプラン機能を刷新 »

flight tracking」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2063350/60818350

この記事へのトラックバック一覧です: Flightradar24(フライトレーダー) MLATによる追跡が充実:

« 2025年に向けて、エンルート空域、管制部再編へ | トップページ | WEBチャートのSkyVectorがフライトプラン機能を刷新 »