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12月11日からの航空路・ウェイポイント、3空港にRNP AR進入新設、など

(追記 11月18日)

11月13日から開始された管制方式基準改正について、AIP改訂版を読んでも何のことやらわからないのでスルーしておりましたが、JAPA(公益社団法人 日本航空機操縦士協会)WEBページに、わかりやすい解説の資料がアップされていました。

ATSシンポジウム
http://www.japa.or.jp/learning/symposium/ats.html

20141113accdct

ターミナル管制所のみならず、ACC(管制部)からも計器進入ルート上のフィックスへの直行指示が出せるように変更された、とのことです。エンルート管制(「東京コントロール」など)の聴取を楽しんでいる方にとっては、知っておいて損はない情報、ではないかと思います。


12月11日からの変更は、羽田空港のC滑走路延伸に関連するものが、すでに10月16日付で発表されています。その他の変更箇所が11月13日付の航空路誌改訂版に掲載されましたが、かなり盛りだくさんな内容です。

目立ったものを箇条書きすると、

  • RNAVルートの新設3本、廃止2本
  • RNP AR進入新設 稚内、紋別、富山
  • 福岡空港にRNAV進入新設、加えて、ILSよりもRNAVまたはLOC進入を優先使用
  • 離陸待機警告灯(THL)の運用開始(新千歳、福岡)

などなど、となっています。

フィックス、ウェイポイントの異動

廃止: SANDY

位置変更: LAGER, TULIP

新設: DASSY, DORAI, GENGE, HAZEL, KOUJI, MANYO, MIZHO, MONBETSU(MVE), MOROM, NOKOH, OWARA, SACHI, WAPPY

12月11日からの航空路Google Map
http://arctica1.cocolog-nifty.com/genrc/jpn-enrc-201412.html

目的のポイントを地図の中央に表示するマップリンク
http://arctica1.cocolog-nifty.com/genrc/jp-enr-201412-wpt.html

このところGoogle Mapsのストリートビューで見られるnavaids(無線標識)がかなり増えました。廃止予定のVOR、あるいは、廃止された施設の撤去前状況を確認するのも一興です。

阿見VOR (Google Mapにリンクします)
http://goo.gl/G3fKzk


RNAVルートの変更

  • 紋別周辺のB337, G583に重畳してY114とY116新設
  • 羽田から富山への新ルートとしてKANEKからURUSIに直行するY885を新設
  • Y86がYOSHIからYULIAまで延長、一方、Y82とY84廃止

福岡空港のRWY16/34にRNAV進入が新設(他、変更多数)

福岡 RNAV RWY16

Rjffrnavrw16

関連して「福岡空港における局地交通諸規則の改正」

(現行)

1. Airport regulations

1.2 RWY relations

RWY16 : RWY16 will be preferentially used when tail wind component is 10kt or less.

RWY34 : Visual approach is primarily applied. ILS RWY34 approach is applied only when visual approach is not applicable.

(改正後)

1.2 RWY relations

RWY16 : 1) RWY16 will be preferentially used when tail wind component is 10kt or less.
2) RNAV RWY16 or LOC RWY16 approach is primarily applied.

RWY34 : 1) Visual approach is primarily applied. ILS RWY34 approach is applied only when visual approach is not applicable.
(取消線の一文はNOTAMと12月発行の改訂で削除されています)

2) RNAV RWY34 or LOC RWY34 approach is applied when visual approach is not applicable.

ということで、RWY16/34共に、ILSよりもRNAVまたはLOC(ローカライザー)進入を優先させる扱いが明記されました。(RWY34については、書き方がちょっと変だと思いますが、1.Visual 2.RNAV or LOC 3.ILSの順位で適用するの意味と解釈しました → 上記のとおり、その後訂正が出ています)

福岡空港では、滑走路の西(国際線ターミナル)側にILSのGP(グライドパス)アンテナが設置されています。GPの前を航空機が横切ると電波精度が悪くなる(GPが振れる)ため、誘導路上に"GP HOLD LINE"(グライドパス停止線)なるものが設けられています。

Rjffgphold

Rjffgpholdline

しかし、発着容量が一杯々々となっている同空港では、いちいちGP HOLDさせていると効率が悪すぎます。一定以上の気象条件(雲高800フィート以上、かつ地上視程3,200メートル以上)ならば、進入機に対して"GLIDE SLOPE SIGNAL NOT PROTECTED."を知らせて、GP HOLD LINEを越えて出発機を進ませる運用も多いようです。

当時は有視界気象状態(VMC)ではあったが、雪で視程が悪かったので、滑走路34側のILSのグライドパスの電波を保護するために、誘導路B6上に「GP HOLD LINE」があり通行に制限があることから、国際線はインターセクションデパーチャーを除き、W8から滑走路を一旦横断して誘導路A7を経由し、誘導路E12から滑走路全長を使用して出発させる運用をしていた。

(「航空重大インシデント調査報告書 HL7517 JA8998」 2.1.3 管制官の口述 より)

今回の措置は、GP HOLD LINEがらみの煩雑さを減らすとともに、航空機の持っている性能 (VNAV)を活かして安定した進入を可能にさせる意図があるのでしょう。

各進入方式別のミニマム(数字は、DAまたはMDA(ft) / 視程(m) )

RWY16
ILS (215 / 550) < RNAV (490 / 1600)  < LOC (590 / 1600) < VOR (630 / 1600)

RWY34
ILS (232 / 550) < LOC (680 / 1800) < RNAV (820 / 1800)

さらに、(離陸用)滑走路の増設計画にともなって、GPアンテナの移設工事が見込まれていることも背景にあると思われます。

Rjffnewrwyradio

「福岡空港滑走路増設PIレポート 構想・施設計画段階【詳細版】」
福岡空港プロジェクト(九州地方整備局 港湾空港部)
http://www.pa.qsr.mlit.go.jp/fap/plan/index.html

滑走路増設計画の要点

  • 事業費 1800億円(しかし、財源のメド立たず)
  • 工期 7年
  • 現滑走路の西側に2500×60m(原則として離陸用)と平行誘導路を新設
  • 新設滑走路は非精密進入対応でILSは設置しない
  • 発着容量 14万5000回→18万3000回(1.26倍 ところが、2013年にはすでに現行容量を大幅にオーバーする17万4000回の発着回数に達している)
  • 滑走路中心線の間隔 210m(ICAO基準の最小値。独立運用は不可のため、容量はあまり増えない。滑走路誤進入トラブルの誘因となる懸念も)

長期にわたる工事期間にはさまざまな運用制限も予想され、その間の機会損失も少なからぬものがあるのではないか、と気がかりです。

運用開始後、JAPAのWEBにこのような告知が掲載されていました。重要な点ですので、転載します。

事務連絡
平成26年12月25日
日本航空機操縦士協会
九州支部長 殿
大阪航空局
福岡空港事務所
先任航空管制官

福岡空港滑走路34直線進入実施時における留意点について(依頼)

平素より福岡空港における管制業務への御理解と御協力を賜り誠にありがとうございます。
さて、福岡空港においては、平成26年12月11日よりRNAV進入が導入され、ILS進入に代わり運用されています。RNAV進入に適合していない航空機に関しては、ローカライザー進入を実施しており、ステップダウンによる降下を行っている場合があります。また、RNAV進入に適合している航空機においてもLNAVのみの適合機が存在しており、同様の降下を行う可能性があります。
これまで滑走路34ILS進入運用時の管制圏外におけるVFR機による最終進入コースの通過に関しては、IFR到着機の高度との垂直間隔をとりながら操縦士の判断により航行されてきたところですが、今後はIFR到着機がステップダウンを実施した場合、ILS進入に比べ低高度へ降下する可能性があるためIFR機とVFR機が接近することが懸念されます。
ついては、貴下協会員に対して、滑走路34直線進入運用時の最終進入コースの通過についての注意喚起並びにTCAの積極的活用を呼びかけていただくようお願いします


次は、3空港に新設されるRNP AR進入について

各空港とも滑走路両側に設定されます。

紋別空港

  • RNAV(RNP) RWY14 RNP 0.1/0.3
  • RNAV(RNP) RWY32 RNP 0.14/0.3

稚内空港

  • RNAV(RNP) RWY08 RNP 0.3
  • RNAV(RNP) RWY26 RNP 0.3

富山空港

  • RNAV(RNP) RWY02 RNP 0.3
  • RNAV(RNP) Y RWY20 RNP 0.3

このうち、富山RWY02については、進入灯が設置されていないため他よりミニマムが高め。昼間のCMVは掛け率1.0のため、VISと同じ。

RNP ARがどのようなものか、JALが2012年にICAOで発表した資料が公開されていますので、まずはご参照ください。

JAL’s status of RNP AR APCH in Japan (2012)
http://www.icao.int/Meetings/PBN-Symposium/Presentations/Session%203/8%20Nobumichi%20Akagi%20-%20Japan%20Airlines/JAL_RNP_AR_Implementation%20PBN2012.pdf

稚内空港

Rjcwrnpar

http://arctica1.cocolog-nifty.com/201403/0201hndwkj-rnp.html

富山空港

Rjntrnpar

http://arctica1.cocolog-nifty.com/201403/0207hndtoy-rnp.html

NT250 - OWARA - NT251の間は、NTRF1を中心とする半径2.87NMのARC(円弧)に沿って、降下しながら進入します。(RFレグ、radius to fix)

"RNAV(RNP) Y RWY20"については、RFレグはなく、直線(TFレグ、track to fix)だけで構成されています。

紋別空港 RNAV(RNP) RWY14 初日から実施される。

Rjebrnp14

12月11日 ANA375 (Flightradar24より)

Fr24141211nh375


佐賀空港にもRNP AR進入を設定か

佐賀空港 海側から着陸可能に 新航法導入を検討
2014年11月06日 10時17分
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/122413

記事からはどのRNAVか判然としませんが、「曲線経路を引ける」「海側から曲がって滑走路に進入できる」という記述から、RNP AR進入のことを指していると解釈できます。

すべての計器進入方式で進入ルートの起点が佐賀VORとなっており、東からRWY29に進入する場合は、空港周辺上空を数回通過することになります。(下図航跡例)

ILS RWY29

Fr24140715ana453

進入管制は"Fukuoka DEP CTL"(福岡出発管制)の担当で、ノーレーダーの管制となっています。

VOR RWY11

Fr24141010ana8553

滑走路西側からの進入方式として、"VOR RWY11"が設定されていますが、下記引用のとおり、(騒音対策上の措置として)未明時間帯にしか使用できません。

RJFS AD 2.21 NOISE ABATEMENT PROCEDURES
計器進入方式および標準計器出発方式の使用
(SEE AD1.1.6.5)
すべての航空機を対象に、午前0 時30 分以降、午前4 時30
分までの間においては、空港周辺における航空機騒音軽減
のため、緊急またはやむを得ない状況にある場合を除き、以
下の計器進入方式及び標準計器出発方式によるものとす
る。
また、これらの方式はこの時間帯に限り使用される方式で
ある。
(1) 到着について: VOR RWY11
(2) 出発について: ARIAKE REVERSAL DEPARTURE

騒音対策でILS進入の使用が制約されている北九州空港の各進入ルートが比較できる図(AIPより)

Rjfrnoiseabate

11月1日の同じ時間帯に着陸した2便の進入経路比較(ILSとRNP AR)

Flightradar24の航跡参照期間が短縮され、既にリンクは無効になっています。

Fr24141101sfj87

2014-11-01 Tokyo (HND) Kitakyushu (KKJ) A320 (JA20MC)
http://www.flightradar24.com/data/flights/7g87/#4b5f01f

Fr24141101jl377

2014-11-01    Tokyo (HND)    Kitakyushu (KKJ)    B738 (JA336J)
http://www.flightradar24.com/data/flights/jl377#4b5f4ae


11月26日に発行されたJASMA RNAV航行許可機リストで、スターフライヤーA320のうち7機が新たにRNP AR APCHの許可を取得したことが判明。

JA07MC
JA08MC
JA09MC
JA20MC
JA21MC
JA22MC
JA23MC

12月1日からRNP AR進入を実施、スターフライヤーがリリース発行

エアバスA320として日本国内初! 高規格RNAV進入方式の許可取得について
http://www.starflyer.jp/starflyer/news/2014/news_20141201.pdf

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