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(出雲LOC休止関連を追記)6月26日からの航空路、出雲・隠岐RNAV、他

5月29日付航空路誌改訂版(NR10 ~ 11/2014)についてのメモです。

まず、「宮古島VORTAC の更新(MYC → MJC)」による航空路変更ですが、VORの位置が変わるため、VORを使って構成されているルートが全て張り替えとなります。

140626ikema

一方、旧VORと同じ位置にRNAVウェイポイントのIKEMAが置かれます。MYCを通っている3本のRNAVルートに関しては、ポイント名が変わるだけです。(上図、IKEMAとMJC=新VORの位置関係)

VOR航空路の変更↓

140626mycmjc


次は、出雲空港と隠岐空港に追加設定されるRNAV(GNSS)進入方式について。

両空港では、ローカライザーが設置されていない側にRNAV進入が既存ですが、6月26日付でローカライザー進入のある側にもRNAV進入が追加されます。

出雲空港にILSを設置できない理由↓

出雲空港について(島根県政策企画局広聴広報課)
http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/seisaku/koho/hotline/record/201106/75.html

上記ページで、質問者が隣接する「米子空港」に言及しているのは無理もない話で、自衛隊と共用の米子空港(美保飛行場)には、ILS (RWY25)、RNAV (RWY07)のみならず、GCA(PARとASR Approach)まで各種の進入方式が設定され、至れり尽くせりです。島根の県庁所在地松江へは大差ない時間で行けますし、行き先や旅行目的によっては、米子便を選ぶ方が良い場合もあるでしょう。

さて、今年度中に大阪航空局にて「出雲空港LOC/T-DME装置の更新」工事を実施する予定とのこと。昨秋の富山空港と類似の状況となっています。

RNAV進入に加えて、Basic RNP1のSIDとSTARも設定されます。が、JASMAに掲載されている"RNAV_RNP_Approvals_08_May_2014.xls"の表によれば、出雲と隠岐に就航しているJAL系の航空機で、現時点でRNP APCHとBasic RNP1の両方を許可取得しているのは、JACのDH8D(Dash 8 Q400 11機)のみです。

JASMA
http://www.jasma.jp/reports.html

(追記)7月末のJASMAリストでは未確認ですが、別ソースによると、すでにJALのB763も"Basic RNP1"と"RNP APCH"が可能となっている模様。

LOC RWY25から07へサークリングと思われる航跡 (flightradar24)↓

Jl1669izofr24

"LOC Z/Y RWY25"(ローカライザー進入)の最低気象条件

Rjocloc25minimum

"RNAV(GNSS) RWY25"の最低気象条件

Rjocrnv25minimum

DH8DはどのCAT(航空機区分)を見ればよいのか、簡単に調べる方法を探していたところ、Eurocontrolの航空機性能データベースというのが見つかりました。

DH8D (Aircraft Performance Database - Eurocontrol)
http://contentzone.eurocontrol.int/aircraftperformance/details.aspx?cgn=&cg=&ICAO=DH8D&GroupFilter=12&NameFilter=&ICAOFilter=DH8D

DH8DのAPC (Aircraft Approach Category、着陸時の速度で決まる)は"C"となっています。(意外やB772やB763がCで、B738はDです)

CAT CにしろDにしろ、ローカライザー進入よりもRNAV進入のほうがミニマムが下がるという朗報ですが、チャートに"RNP0.3 required."と注記されているRNAV進入には"RNP APCH"という運航許可が必要です。このあたりの事情については、昨年の富山空港ローカライザー休止に関連して詳述しました。


RNAV進入の規格については、何回書いても分かりにくいので、再度補足します。(趣味上のメモであり、正確性の保証はありません。必要に応じ、しかるべく公式情報で裏付け調査をしてください)

今回、出雲空港に設定されたものは、RNAVの規格としては"RNP APCH"であり、当該規格の航行許可取得が必要。チャートのタイトルは"RNAV(GNSS)"で、航法精度(RNP 0.3)が指定されています。

お隣、美保飛行場(米子空港)にもRNAV(GNSS)進入がありますが、こちらは航法精度の指定がないRNAVとなっています。実質的に同じ規格ですが、レーダー進入管制がある飛行場では航法精度を指定しないRNAV進入が設定され、「運航承認」を得ればよいとされています。"RNP APCH"の許可は要求されません。

"RNP APCH"の許可を取得していれば、航法精度の指定のされないRNAV(GNSS)進入について、改めて「運航承認」を申請する必要はない、という運用がなされています。

"DME/DME RNP0.3 not authorized."という注記がありますが、実際上"GNSS required."と同じ意味と解釈できます。日本の許可基準では、RNP APCHにはGNSS (GPS)センサーが必須のため、GNSSなしのDME/DMEがnot authorizedは自明のことです。米国にはDME/DMEのみで可能なRNAV進入があるようですが、例外的なものです。

さらに東隣の鳥取空港RWY10のRNAV進入はチャート上"RNAV(RNP)"であり、RNAV規格としては"RNP AR APCH"です。(許可が必要)

上記3種類のいずれにおいても、ATC(航空管制)では"

“Cleared for RNAV Z Runway Two-Two Approach.”

のように、RNAVやRNP(AR)の区別なくRNAV Approachと呼ばれます。

旭川空港では、札幌管制部が「広域レーダー進入管制」を実施しており、そのための施設であるSSRの稼動を条件として、航法精度の指定がないRNAVが行われます。「広域レーダー進入管制」とは日本独自のシステムと思われますが、AIPにも記載がなく、位置付けが不透明です。(AIM-J2014年後期版に解説が載ったそうです)

(参考になるかもしれないページ)

AIM 4/3/14
Section 2.?Area Navigation (RNAV) and Required Navigation Performance (RNP)
http://www.faa.gov/air_traffic/publications/atpubs/aim/aim0102.html

3. RNAV System Description
http://flightcrewguide.com/wiki/navigation/area-navigation/rnav-system-description/


"RNAV(GNSS) RWY07"

Rjocrnv07

RWY07側のRNAV進入は、既存のJEC(美保VORTAC)からOKUNIポイントへのSTARに加えて、空港南側を回るRNAV STAR (RAKDA WEST ARRIVAL)が新設。

こちらは、CAT C, Dについては2000m以上の視程が必要です。RWY07にも進入灯が設置されれば、この値は若干下げられるはず。ILSほどの費用はかからず、安全対策上も有効であると思われます。島根県にはぜひ検討していただきたいところです。

DH8Dが就航する伊丹→出雲・隠岐の飛行ルート(飛行計画経路、6月26日~)は、

RJOO-HYOGO TOZAN Y38/G597... RJNO/RJOC/RJOH(for propeller aircraft)

となっています。

(追記)

  • 9月18日からTOZAN→RAKDAとなるRNAVルートができます。
  • 夏季、伊丹-隠岐間に運航のJET機はルートが異なります。(SUMAR AYAME SETOH SOUJA)
  • 7月24日からの伊丹VOR関連の変更はルートマップを修正していません。

伊丹→出雲
http://arctica1.cocolog-nifty.com/201403/rnvitmizo2.html

出雲→伊丹
http://arctica1.cocolog-nifty.com/201403/rnvizoitm.html

伊丹→隠岐
http://arctica1.cocolog-nifty.com/201403/rnvitmoki.html

隠岐→伊丹
http://arctica1.cocolog-nifty.com/201403/rnvokiitm.html

JL2331便航跡(Flightradar24)
http://www.flightradar24.com/data/flights/jl2331


1995.10出雲空港

Izo199510

出雲空港離陸後

Izohnd199510

羽田RWY15進入

Hnd15199510

左窓側席から撮影。ほぼ正面に見える滑走路は16(現 16L)で、さらに陸側の15に進入しています。


2014.6.8 視界不良で着陸できなかった事例

140608jl1663dvt

RJOC 072315Z 30005KT 2300 -SHRA BR FEW003 BKN005 BKN008 20/19 Q1006 RMK 2ST003 6ST005 7ST008 A2972

毎度おなじみのNOAA AWC

Noaaawcmetar

よく見ると、metar(定時報)にはRMK部分が記録されておらず、speciのみRMKが残っています。

RMKに記載されている「国内記事」については、下記ページが参考になります。

気象庁新千歳航空測候函館空港出張所-通報文の見方
http://www.jma-net.go.jp/hakodate-airport/metar.html


出雲空港LOC25休止は2014.9.18から11月半ばまで

代替方式の設定なし。

AIC14-116

TOZAN -> RAKDA間にRNAVルート (Y188)設定

140918y188rnav

9月18日からの伊丹→出雲間、RNP1プロペラ機用ルート(AIC Nr 037/14)

RJOO-HYOGO TOZAN Y188 RAKDA-RJOC(for propeller aircraft and Basic RNP1)


Flightradar24に記録された出雲RWY07 RNAV進入の航跡

Fr24141011jl1667

2014-10-11 Tokyo (HND) Izumo (IZO) B763 (JA658J) JL1667
http://www.flightradar24.com/data/flights/jl1667#48b5192

同じ部分のルート図を拡大↓

Rjocrnv07enmuh

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